前回のAI音楽MVでは、TikTokの動画分析から、反応の多くが動画の冒頭付近に集まっていることが分かりました。
特に「いいね」のタイミングを見ると、視聴者は曲全体を聴き終えてから反応したというより、最初に見えたイラストや空気感に反応した可能性が高いと考えられます。
一方で、平均視聴時間を見ると、すぐ離脱した人だけではなく、一定時間見続けた人もいました。そこには、音楽の質感や声、映像全体の雰囲気が関係していた可能性があります。
つまり、今回のMVでは、次のように分けて考える必要がありました。
今回のイラストは、ChatGPTで作成した、ゆるい手書き風の父子イラストでした。方向性は、ラフな線、シンプルな塗り、平成っぽいダサかわ感、単色背景、力の抜けた落書きのような雰囲気です。
そのイラストをSeedance 2.0で短く動画化し、後半は静止画として使いました。
分析結果を見る限り、最初の反応を作ったのは、音楽だけではなく、このイラストの第一印象だった可能性があります。AI音楽MVでは「曲が良ければ見てもらえる」と考えがちですが、TikTokでは最初の1秒で立ち止まってもらう入口が必要です。今回、その入口になったのは、ゆるい手書き風の親子イラストだったと考えられます。
動画分析では、日本以外からの視聴も確認できました。特に大韓民国からの視聴があり、これは小さい割合であっても無視しない方針にしました。
その理由は、前回曲の音楽性が、韓国ドラマOSTに近い情緒を持っていたからです。OSTは Original Soundtrack の略で、ドラマや映画などの中で流れる主題歌・挿入歌・劇中曲のことです。韓国ドラマOSTには、ピアノ、ストリングス、低めの男性ボーカル、切なさ、夜明け、再会、家族や記憶のような情緒がよくあります。
前回曲にも、静かなピアノ、チェロ、ストリングス、低めの男性ボーカル、夜明けの空気、親子のテーマがありました。そのため、大韓民国からの視聴は、単なる偶然ではなく、韓国ドラマOST的な情緒に少し触れた可能性があります。
大韓民国からの視聴を考えるうちに、もう一つの仮説が出ました。日本の主な視聴者層にも、韓国ドラマOSTのような情緒が届きやすい可能性があります。
つまり、これは「韓国向けに作る」という話ではありません。日本の視聴者にも届く、韓国ドラマOST的な感情設計を、制作に取り入れるということです。
議論の中で、Backstreet Boysのような男声ポップバラード感も話題になりました。前回曲そのものは、ambient cinematic ballad、K-drama OST、静かな男声バラードに近いものでした。
ただし、サビに「懐かしい男声ポップバラード感」を少し入れることは、今後の方向性として有効そうです。韓国ドラマOSTの静けさを壊さずに、懐かしい男声バラードの広がりを加える形です。
今回の結論は、流行に全振りしないことです。
芯は、ゆるい手書き絵、親子の情緒、夜明け、ピアノ、ストリングスです。そこに、今っぽい質感だけを薄くかけます。cinematic pop ballad、dark pop atmosphere(薄く)、nostalgic Y2K adult contemporary(薄く)、polished modern productionが候補の方向性です。
ここまでの分析から、次の制作方針を仮に 「キリイモStyle v0.1:夜明けの親子OST」 と呼ぶことにしました。
これは、単なるSuno Styleではありません。イラスト、音楽、映像、投稿後の分析まで含めた、制作の型です。
次は、3分超えのMVをいきなり完成させるのではなく、30〜45秒程度の短尺で検証します。理由は、前回の動画では後半が静止画になっており、3分超えを支える映像の物語がまだ足りなかったからです。
次回は、次の3つを比べるとよさそうです。
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